【連載】ムーンショット目標1

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ムーンショットとは?

ムーンショット(Moon Shot)」とは、前人未踏な挑戦で非常に達成が困難だが、達成できれば絶大なインパクトとともに、イノベーションを創出する計画や挑戦のことを指します。「ムーンショット目標」とも呼ばれ、由来は第35代アメリカ合衆国大統領のジョン.F.ケネディ氏が1961年にアポロ計画を発表し、10年以内に人類を月面に着陸させるという前代未聞の挑戦を有言実行したことからムーンショットと呼ばれるようになりました。※1969年7月20日、2名の宇宙飛行士がアポロ11号で月面への到着を達成しています。

日本におけるムーンショット目標

内閣府が策定した計画のひとつで2020年1月、総理大臣官邸にて開催された「第48回総合科学技術・イノベーション会議」で議論された、ムーンショット計画とは、2050年までに身体や脳、空間や時間といったさまざまな制約から人々が解放された社会を実現すること。「イノベーションの起爆剤」「人々を魅了する野心的な目標」として設定されています。

上記の身体や脳、空間や時間という言葉を見るとSFのお話のように感じますが、どこかの映画監督ではなく、日本政府が正式に発表した現実の目標なのです。それでは、ムーンショット目標1を見ていきましょう。

目標1.2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現


広報部長(♀)
広報部長(♀)

え?なんか怖い。。。猫型ロボットになれって事❓

2050年までに、「人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」この字面だけみると、何か狂気的な恐ろしさを感じます。自分の脳がいじられてサイボーグにされそうな印象です。(※個人的には興味がありますが)

ですが、こちらの目標は少子高齢化により、生産人口の減少が進み既存の生産体系では社会システムが回らないことや、様々な価値観やあらゆる年齢の人々が多様なライフスタイルを追求できる持続可能な社会を目指す事、ライフスタイルに応じた社会参画を実現するために、身体的能力、時間や距離といった制約を、身体的能力、認知能力及び知覚能力を技術的に強化することによって解決するためとされています。

サイボーグになるのではなく、少ない生産人口の中でも、生産性を高める働き方をAIなどを使い実現していこうという取り組みなのです。

内閣府が目指す社会

  • 人の能力拡張により、若者から高齢者までを含む様々な年齢や背景、価値観を持つ人々が多様なライフスタイルを追求できる社会を実現する。
  • サイバネティック・アバターの活用によってネットワークを介した国際的なコラボレーションを可能にするためのプラットフォームを開発し、様々な企業、組織及び個人が参加した新しいビジネスを実現する。
  • 空間と時間の制約を超えて、企業と労働者をつなぐ新しい産業を創出する。
  • プラットフォームで収集された生活データに基づく新しい知識集約型産業やそれをベースとした新興企業を創出する。
  • 人の能力拡張技術とAIロボット技術の調和の取れた活用により、通信遅延等にも対応できる様々なサービス(宇宙空間での作業等)が創出される。
広報部長(♀)
広報部長(♀)

なんだかこむずかしい。けど実現できたら凄いねー⭐️ ドラ○ちゃんになるのも捨てがたいけど❤️

【ターゲット】誰もが多様な社会活動に参画できるサイバネティック・アバター 基盤

  • 2050年までに、複数の人が遠隔操作する多数のアバターとロボットを組み合わせることによって、大規模で複雑なタスクを実行するための技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する。
  • 2030年までに、1つのタスクに対して、1人で10体以上のアバターを、アバター1体の場合と同等の速度、精度で操作できる技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する。

注:サイバネティック・アバターは、身代わりとしてのロボットや3D映像等を示すアバターに加えて、人の身体的能力、認知能力及び知覚能力を拡張するICT技術やロボット技術を含む概念。Society 5.0時代のサイバー・フィジカル空間で自由自在に活躍するものを目指している。

上記が、内閣府の定めるターゲットです。とてもわくわくしてきますね。
実現できたら、例えば原発の事故処理を専門知識を持った専門家がアバターを使い処理できたり、海外の名医の手術を受けられたり、お年寄りでもアバター・ロボットを使い介護職を行えたりします。

広報部長(♀)
広報部長(♀)

月や、火星とかでも仕事できちゃうかもね❓

【ターゲット】サイバネティック・アバター生活

  • 2050年までに、望む人は誰でも身体的能力、認知能力及び知覚能力をトップレベルまで拡張できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を普及させる。
  • 2030年までに、望む人は誰でも特定のタスクに対して、身体的能力、認知能力及び知覚能力を強化できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を提案する。

いよいよSFの世界感と現実の世界感が近づいてきたように思えます。
アバター・ロボットを使い身体的な障がいを持った方でも何の不便もなく社会参加できる時代が近づいてきていますね。

まとめ

少子高齢化により、生産人口の減少にあえぐ日本において、高齢でも働けるような社会の実現はとても魅力的に映ります。働きたくても体力が付いてこない高齢漁師などの話を聞くと、たしかにこの目標が実現できれば、時間や身体の制限から解放されますね。

都市伝説好きな私としては、技術的特異点(シンギュラリティ)と絡めたエンタメフィクションの登場も楽しみの一つです。


次回は目標2.2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現

を紹介します。

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